日常的幸福論【完】
日常的幸せ。
マンションに着いてグラスに水を勢いよく注いだ。
生温い水が乾いた喉に心地良い。
空になったグラスを軽く濯いで食洗器の中に入れた。
薄ピンクのかわいらしいグラス。
杏が飛鳥との同棲生活の記念にと、薄ピンクとコバルトブルーのペアグラスをくれたのだ。
最近の使用頻度はあたし専用の薄ピンクのグラスだけ。
それはコバルトブルーのグラスを使う飛鳥が最近家にいないことを意味する。