大人的恋愛事情
 
「あの時は悪かったと思ってる」



静かに言い出す圭が、テーブルに視線を向ける。



「別に謝ってくれなくても……」



「正直、あれからずっと後悔してた」



「やめてよ」



「あの時は、まだ俺もそんな気がなくて」



「……もうやめてって」



「最近、やっとそんなことも考えられるようになって」



「ホントやめてよ」



「そう思った時、どうして繭と別れたのかと思うようになって……」



そんなことを言う圭から視線を逸らす。
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