大人的恋愛事情
「で? 圭なんて?」
仕事終わりのロッカールームで、詩織が軽く聞いてくる。
「なんてって?」
惚けてみても、見逃してもらえるわけでもなく……。
「てか、繭さんっていい男に当たり過ぎてません? 村岡さんって藤井さんと変わらないくらい人気ありますよ。もし、人気投票改めてしたら藤井さんといい勝負……」
「しなくていいから」
詩織が美貴ちゃんのどうでもいい話しを切り捨て、こちらを見てくるので着替え終わった私はロッカーの扉をバタンと閉めそこに凭れ二人を見た。
「あの時は悪かったって、もう一度やり直さないかって言われた。結婚を前提にやり直したいらしいけど、私はその気ないってキッパリ断ったし、藤井さんと寝たことも言ったし、今後圭とやり直すつもりもない。……以上終わり、帰る」