大人的恋愛事情
 
別に責めている様子もなく、静かに聞かれて答えに詰まる。



「え……男って?」



「営業部の村岡と付き合ってるって」



「いつの話し、そんなのもう一年前に終わってるけど?」



嫌な話しを思い出させてくれる。



少しうんざりしながら、まだ湿った髪を一つに纏めようと、ベッドから立ち上がりドレッサーの上の髪留めを取った。



「そうなのか?」



「そうだけど、なにかマズイ?」



軽く返しながら、ふと鏡に視線をやると鏡越しに私を見ている視線とぶつかった。



もしかして心配してる?
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