大人的恋愛事情
 
付き纏われたらとか思って?



男がいるから、軽い気持ちで誘ったってこと?



後腐れないように?



「え、そうなの?」



髪留めで髪を留め、ネックレスを手に取りながら思わず振り返る。



私の自己完結の質問を無視して、小さく溜息を吐いた藤井祥悟が顔を上げる。



座った体勢で私を見上げる形になり、同じ位置でベッドに深く座りなおし私の方に手を差し出す。



「座れよ、留めてやるから」



は?



言葉の意味が理解出来ないままの私は、その手に腕を取られて広げた足の間に座らされた。



「ちょっとっ……」



「動くなよ」



すぐ後ろで聞こえる声は少し笑っている。
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