大人的恋愛事情
囁き
「おっ、佐野。今日はどっちと?」
「佐野さん。今度、俺とも昼食べましょうよ」
「てか、そんなにいい?」
「ね、確かに美人だけど……」
「そうよね、歳は隠せてないよね」
別に隠してないわよっ!
そもそも、社内メールで何度も何度も歳が書かれてるじゃない。
今さら隠すもなにも……。
というより、どうして私がこんな目に?
もはやどの声も、聞こえないふりでエレベーターを降りて、正面出入り口まで行く。