大人的恋愛事情
 
探られるような質問はされたくないだとか。



回りくどい言い方をされてもわからないらしいし。



「待てよ」



「もういいです。なんとかしますから」



歩きながら後ろから聞こえる声に、前を向いたまま返す。



いよいよどうすればいいのかわらないけれど、まあ最悪どこかのホテルにでも泊って今日は帰らなければいいわけだし……。



「繭っ」



そう言いながら、腕を掴まれて足を止める私は思わず抗議する。



「名前で呼ばないでよっ!」



「じゃあなんて?」
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