大人的恋愛事情
都合
正直、名前なんてどうでもいいわけで、今日とりあえず圭をやり過ごせたら、鍵は休みの間に替えられるし。
そうすれば来週からそれをネタに圭も脅してはこられなくなって、お昼を食べなくてもよくなる。
私に簡単に入って来ようとする圭を、遠ざけることもできたりするし。
そうなれば揺れる心配もなかったりして……。
だから今日をなんとかやり過ごせればいいってわけ。
だからって……。
「ねえ、どうして私が?」
藤井祥悟の家でネギを切る私は、なんだか腑に落ちないまま鍋の用意をさせられていたりする。