大人的恋愛事情
「離れてくれない?」
アッサリそう言うと、キッチンに入ってきて、後ろから腰に腕を回していた藤井祥悟がわざとなのかさらにその腕を強くした。
シャツの前を全開にして、後ろから抱き締めるような仕草は、どう考えてもやり過ぎな気がする。
「泊めてもらうとは言ったけど、付き合うとは言ってないよね?」
「そうだったか?」
「勘違いさせたなら悪いけど、泊めてもらうだけだから」
「マジで可愛げねえよな」
微かに笑いながら、私の肩に頭を乗せてきて、そのまま首筋に唇を押しつける。
「ホントやめて」
「いいだろ」