大人的恋愛事情
 
ふとそんなことを考えて、リビングの方に置いてあるバックから携帯を取り出した。



そこには着信は一件も入っていなくて、少しホッとする反面、もし圭が来なければここに私がいる意味がなんなのかわからなくなると思ったりした。



かと言って来て欲しいわけでもない。



鍵を持っている男は、きっと私がいなければ家に入って待つつもりかもしれなくて。



いくら圭といっても、やっぱり他人だし自分の家に勝手に入られるのはいい気分ではない。



もし来ていたとして私がいなければ当然電話をしてくるだろうし、そう思えばまだ来ていないのか、来る気がないのか……。



「噴いてるぞ」



「え?」



「鍋」
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