大人的恋愛事情
よくわらない満足感と幸福感に浸りながらも、頭の片隅では小さな警報のようなものが点滅する。
あまり深みにハマるのはよくない。
これ以上行くと抜け出せなくなる。
そうなった時に困るのは私。
ズルズルと引きずられるだけで、その先にはなにもないのかもしれない。
でも今この瞬間だけは、少しくらい幸福感に浸るくらいはいいのではとも考え、頭の横で手を繋ぎ、後ろから回されているお腹にある腕を優しく撫でた。
「付き合おう」
不意に声が聞こえてビクッと身体が固まった。
「起きてたの?」
「今起きた」