大人的恋愛事情
圭ともこんなふうに割り切れたらいいのだけれど、夢中になった時間が長い圭には何故かそれが通用しない。
「あいつは……」
掠れる声はまだ少し眠たそうに聞こえるのに、朝から厳しいことを突っ込んでくる。
「村岡はやり直したいのか?」
「さあ」
「言えよ、今なら気にしないことにする」
勝手にそんなことを決められても、私にすれば気にされてもどうでもいい。
それでも静かで穏やかなこの時間に、あまり深く考えずに口を開いた。
「そうみたい。やり直そうって」
「嫌なのか?」