大人的恋愛事情
「本当は今日にでも業者を呼んで、鍵を替えようと思ってたんだけど……」
結局は圭がいるだろう家に帰って、鍵を替えることが出来ずにいて。
雑炊を食べながら溜息を吐く。
「特殊な鍵なのか?」
「特殊?」
「カードキーとか、暗証番号式とかだ」
「ううん、普通だと思うけど」
「だったら、自分でも替えられるぞ」
軽くそんなことを言う隣の藤井祥悟を見る。
「そうなの?」
「意外に簡単に替えられる。シリンダーを買って付け替えるだけでいい」
「シリンダー? よく知ってるのね」