大人的恋愛事情
 
ああ、そういうこと……。



意味が理解できたと同時に、その冷たいのか熱いのかわからない瞳をジッと見つめる。



確かに、嫌でもないのは事実で……。



昨日もここで、この男に跪いて自ら奉仕をするほどだったりして。



どう考えても嫌な相手に、あんなことは出来ない気もするし。



思わず顔を背けて鍋に視線を戻した。



好きなのかそうでもないのか、自分のことなのに何故か知りたくなかったから。



好きだと知ってしまうのが怖くて……。



そうでもないと思い続けている方が楽だったりして。



「嫌でもないのと、好きなのは違うわよ」



そんなことを投げやりに返しながら、急にこんなことをしていていいのかという気になった。
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