大人的恋愛事情
 
痛いところを突いてくる藤井祥悟が、律動を止め私を静かに抱きしめる。



落ちてくるキスは甘く優しく、それに翻弄される私は言い逃れることもできない。



抱きしめられる腕の強さに、何故か泣きそうになるのはきっとそうだからに違いなくて。



「俺は好きだぞ?」



サラッと言われて、また胸がキュッとなる。



それを確認するかのように、藤井祥悟がジッと動かずに伺うように声を出す。



「ずっと抱いていたいし……」



黒い瞳が私の瞳を覗き込む。



「ずっとこうしていたい……」



完全に連動しだす、心と身体。



「ずっと一緒に」



低く優しい声で「いたい……」と柔らかく手を握られ耳元で囁かれた時、さらに胸が反応したのをもう隠す事はできなかった。
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