大人的恋愛事情
予感
日曜の夜まで、そんな甘い時間に浸りきった私は、スッカリ藤井祥悟という男に心も身体も溶かされいた。
だからといって、特別なにかを約束したわけでもなく、藤井祥悟もそれでいいと思っているようだった。
夜家に帰っても、圭はいなかった。
家の中もなにも変わっている様子はなく、来ていなかったのだとわかり、とても無駄なことをしていただけらしく項垂れる私に、藤井祥悟が笑って鍵を替えてくれる。
「ごめん……なんか馬鹿みたい」
「そうか?」
「来てもいないのに……」
「俺にとってはありがたかった」
とかなんとか言い残し、帰って行く藤井祥悟に少し名残惜しい気がした私は、もう言い訳の出来ないところまで来ている気がした。