大人的恋愛事情
どうして可哀想なわけ?
元々可哀想だったのは私なのよ?
簡単に捨てられた相手を拒絶するのは当然じゃない?
それなのに、ここにきて圭が可哀想みたいな空気は本当に納得がいかない。
どれだけ傷ついたと思ってるわけ?
それを簡単になかったことにしようとする圭。
「美貴ちゃん藤井さんがいいって言ってなかった?」
思わずそう言った私をチラッと見て、少し笑いながら手元の領収書の束を渡してくる。
「そうでした?」
「そうよ、言ってたけど?」
それを受け取りながら、クリップを外す。