大人的恋愛事情
「たった一日二日で?」
「そうよ歴史的史実だって、そんなものだったでしょ」
「なんですかそれ?」
「あの信長だって、それを倒した光秀だって、たった一日の出来事で、何年も掛かって固めてきた足元をすくわれたじゃない」
適当に返した私の言葉に、美貴ちゃんは不思議そうな顔をして、詩織は呆れて笑いながら呟いた。
「足元すくわれるのは、いったい誰なんだろうね」
不吉なこと言わないでよっ!
27歳独身女は、慎重なようでそうでもなかったりするのだから。