大人的恋愛事情
 
そう思った私の腕をソファから手を伸ばし掴んでくる。



「ここでいい、寒くねえし」



静かにそう言いながら、掴んだ腕を引くので私はソファの横に膝をつく形になった。



そして腕を掴んでいた手が滑り、熱い圭の手が私の手首に触れた。



私が熱いと感じるということは、圭は冷たいと感じているはずで。



その私の手を自分の額につける。



「気持ちいい……」



驚くほど熱い額。



目を閉じ額に触れる手に心地いいのか、掴んだ手首を放してはくれなくて。



「圭」



「ん?」



「ベッドで……」



「いい」
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