大人的恋愛事情
 
やり過ごそうとすればするほど、何故か上がりだす感度に呼吸が苦しくなる。



ここにきてゆっくりになる指先の動き。



焦らされるそれに、切ない溜息が洩れる。



お願い……。



もっと強く、もっと激しく、そんなふうに求め出す私の腰が揺れる。



それなのに圭はどこまでも焦らし、それに耐えられない脳内が自分で快感を作りだす。



たいした動きでもないその指先に、意識を集中して小さな快感を拾い集め、なんとか大きな波を迎えようとする私。



いつだってそうだった。



こうして焦らし煽りながら、圭は私から縋るのを待っていた。
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