大人的恋愛事情
 
そうされると、必要以上に湧き上がる相手を求め出す感情。



身体が求めるのか、自分自身の心が求めるのか、いったいどちらかわからなくなってきて。



そんなことをいつも繰り返されていた、4年9カ月の間、振り回されながらも本当に私は圭に夢中で……。



「繭……」



くせのある声が耳元に落ちてくると、それすらを快楽へと変換させようとする。



どこまでも焦らされるそれは、ギリギリのところで……。



「お願……いっ」



形振りなど構っていられないほど追いつめられる私は、圭を探し頭を僅かに上げる。



そこに見える光景は目眩がするほど、乱れた姿の自分がいて。
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