大人的恋愛事情
 
はあ?



なにがいいの?



急に投げやりになったような詩織を、少し呆然と見ているとお茶を持ったまま軽く呟いた。



「どこに圭との結婚を悩む必要があるのか、私にはよくわらないけど?」



それはもっともな意見で……。



藤井祥悟とのことを無視してプロポーズしてくる圭との結婚に、なんの障害があるわけでもなく。



逆に、あの社内メールを見ただろう、藤井祥悟は昨日は電話をしてきたというのに、今はこうしてもう私を誘うこともしてこない。



それはある意味答えがもう出ているようなもの……。



それを思うと、本当に後悔が押し寄せてくる私は、いい大人だというのに泣きそうになったりして。
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