大人的恋愛事情
 
それなのに、何度もそれを口にして、あげくは今朝のプロポーズまで……。



もし藤井祥悟がいなければ、私はこんなに迷っただろうか?



許せないことをした圭だとしても、圭との結婚しか描けなかった私にすれば、戻って来たならいいのではないかと許したのではないだろうか?



簡単に思い描ける将来に、こんなに悩んだりするのだろうか?



そんなことを考えながらの、久しぶりの一人の夜は少し寂しく思えた。



ゆっくりテレビを見ながら、コンビニのお弁当を食べる一人の夜。



何週間か前までは、当然で気にもなっていなかった一人で過ごす夜は、泣きたくなるほど寂しい気がした。
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