大人的恋愛事情
そもそも、どういうことなのか説明も求めないってどうなわけ?
いや、説明を求められたらそれはそれで困るけど、でも今の状態だと言い訳のしようもないんじゃない?
いや、だからって言い訳もなにも出来ないけど……。
「佐野、一番に電話」
そんな声に思わず美貴ちゃんを見た私。
資料をもう一度、綴じ直していた美貴ちゃんも顔を上げて私を見た。
二人で顔を見合わせていても、なにもあるわけでもないので、視線を美貴ちゃんからデスク上の電話に移す。
恐る恐る受話器を取り、一番のボタンを押す。