大人的恋愛事情
『私がどうしたの?』
「いえ、室長のご主人は、すべて受け入れて、仕事をする室長を支えてるって……」
だって、パーフェクトなんでしょ?
子育てからすべてにおいて支えてくれるんだろうし、そんな人が何故私にそんなことを言って来るのか……。
そう考えていると、呆れたような溜息が受話器から聞こえた。
『佐野さん。あなたまさか夢でも見てるわけじゃないでしょうね』
どこまでも呆れた声を出されて、慌てる私。
「いえ……そういうわけでは……」
『言ったでしょ? 結婚はゴールじゃないのよ? これから先、夢みたいな日々が待っていると思ったら大間違いよ』