大人的恋愛事情
溶け合うほどの熱い濃厚なキス。
過去を思い返してみても、ここまで熱くなるキスなどしたことがない気がした。
上にいる繭が唇を放し、身体を起こして俺を見下ろす。
微かに笑い悪戯な色気を出してくる女に、完全に押される俺は思わず視線を逸らす。
なんなんだ?
想像とはまったく違う女。
真面目で堅く、SEXで乱れる姿など想像できなかったはずなのに。
そんな女が、もう一度降りてきて首筋に舌を這わす。
「しなくてもいいの?」
さきほど言った俺の言葉を、こんな時に持ち出す繭は、反応を示す俺の欲望をわかっているはずなのに。
キスだけでマズイところまで来ているのに、そんな俺をさらに煽るつもりか、着ているバスローブの中に手を入れてくる。