大人的恋愛事情
 
背中に手を回し、その肌を感じながら繰り返されるキスは、二人の距離を一気に縮める。



資料を手に持ち会社の廊下を歩く姿を思い出す。



その姿からは想像もつかない誘い方に、さらに増すのは女としての色気。



普段はまったく見せないギャップのある姿に煽られる俺は、本気で限界が近づいていて。



「なあ……」



「なに?」



「入れてえ……」



恥など忘れ本能のまま呟いた俺に、まだまともな愛撫も受けていない繭が柔らかく笑った。



「私も……」
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