大人的恋愛事情
呆れて声も出ないほどガックリ項垂れていると、対照的に美貴ちゃんの呑気な声が聞こえてきた。
「~って、カツサンドって他に種類ありました?」
「うん、量の注文聞いてくれるから……」
て、答えてる場合じゃないからっ!
しかもどうして美貴ちゃんの食いつくところはそこなわけ?
「大村この書類、製品開発に届けてくれ」
通りすがりに美貴ちゃんのデスクに男性社員が、バインダー式の書類を置く。
「どうして私が……」
嫌そうに溜息を吐く美貴ちゃん。
それを横目で見ていた私は、丁度いいと思い立ち上がった。
「行ってあげるよ」