crocus

教えてもらったコーヒーの木の花言葉みたいに、一杯を飲む時間だけでも全てを忘れて『一緒に休みましょう』って語りかけるコーヒーを真心込めて作る。

それが俺の一杯のコーヒーの意味だ。

「ありがとう。ご馳走様」

「お粗末様でした」

屈託のない笑顔で嬉しそうに言う若葉ちゃんは、知らないだろう、今どれだけ俺が感謝しているかなんて。

過去の話を信じて、親身になって聞いてくれたことで、少し強くなれた気がすることなんて。

人前で泣くことが、今2回目になりそうなことなんて。

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