crocus
crocus 03
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翌日、恭平さんはオーナーさんが出していた課題に対して「俺のコーヒーは、心と体がひと休みする時間を作るための一杯です」と答えた。
すると、オーナーさんは「まぁ、いいんじゃない?」と、素直じゃない言い方をしていたけれど、恭平さんが本調子に戻ってくれて安心した表情だった。もちろん他のみんなも。
桐谷さんに至っては、復帰の記念と常連さんへのお詫びにとドリンク半額dayを数日設けた。
期間限定ということもあってか、通常よりも売上がよかったらしく、やっぱり桐谷さんはオーナーさんの右腕に相応しいと思った。
何も変わらない、いつも通りのクロッカス。とは言っても少しだけ変わったのは、広くなった若葉の作業範囲だ。
今まで洗濯は女物の洗濯物を殿方に洗ってもらうなんて、とても出来なくて、自分の分は自分でしていた。
だからどうせなら週代わりの当番制は廃止して、若葉1人で担当した方が合理的に思えた。
さらに言えば昼食。お店はランチタイムの12時~2時頃は一番の書き入れ時。それを過ぎてから、誰か手の空いた人がリビングへ、昼ごはんを作りに行くシステムだった。
けれど洗濯機を回してる間に、昼食もパパッと作ってしまえば、嵐のランチタイム後に誰かが疲れた体で6~7人分の昼食を作ることもなくなる。
そう思った若葉がみんなに提案すれば、初めは……そんなことをさせるために住み込みさせているんじゃないと、労ってくれるが故に賛同は得られなかった。