crocus
作戦の内容に、乾くんは満足そうに頷いた。そして、立ち上がると、翔と祥、2人の肩にポンッと両手を置いた。
「そ。違うっつったら、髪の分け目くらいで、同じ顔で、同じ性格のお前らにしか出来ねぇだろ?…で、どう?引き受けてくれる…よね」
どうして何も言わないんだろう。もしかして、引き受ける気なのかな。1位なんて興味なさそうだけど…実際はどうなのかな。
翔と祥の前に、両手を広げて立つ間に、いろんな考えが巡ったけれど、2人を助けなきゃと思った時には勝手に体が動いていた。
「あ?なんだお前?」
乾くんは、翔と祥よりも背が高く、誠吾は少し悲しくなるほど、顔を上に傾けなければいけなかった。
「誠吾?」
「なにしてんの」
後ろから、祥と翔が声をかけてきたけど、構わず乾くんに言い放った。
「い、乾くん!乾くんは、翔と祥の友達じゃないの?全く同じって言ったけど、2人は全然違うよ?」
「え、なになに…ホント誰こいつ」
乾くんの後ろの人達に、両腕を擦って恐がるフリをして見せているけど、誠吾は負けじと言葉を続けた。