crocus


翌日の天気は、雲一つない空だった。朝の支度中も、登校中も3つのショートケーキが入った箱を何度も確認した。

今までで一番綺麗でおいしい出来になったこともあって、ワクワクだけが昂っていく。

クラス替えの貼り紙を一緒に見るために、校門前で待ち合わせの約束をしていて、既に翔と祥は到着していた。

入学式で翔と祥と、会話を交わしてから、今日でちょうど1年でもある。男同士で祝うなんて気色悪いけれど、やっぱり大事な日。誕生日も一緒だなんて、祝いなさいと神様が言っているに違いない。

この短い間にいろんなことがあったけれど、きっと1つ1つを思い返すことも大変なほど、翔と祥との歴史はこれからも続いていくんだと、信じて疑わなかった。


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