crocus
三馬鹿をいい方へと変わった理由には、少なからず雪村さんの存在があるはずだ。
そんな自分だって、あんなに嫌煙していた母さんに会ってみようかなんて思いになっているんだから、認めざるを得ない。
ポケットの中の砂時計を取り出して、手探りで雪村さんの手に触れ、そっと砂時計を乗せた。
「雪村さん、砂時計ありがとう。あと手紙も。…それから、母さんからの贈り物…受けとろうと思うんだ。まぁその前に、僕が女性不信になった理由を聞いてくれる?」
「私でよければ…いくらでも」
女とかじゃなく、信頼出来る仲間に知ってもらいたくなった。雪村さんが持つ砂時計の上に、自分の手を重ね、情景を浮かべた。