crocus


やけに静かになったことを不思議に思ったけれど、彼らの考えを瞬時に判断すれば、しまった、と目を瞑るしかない。白けた目で周りを確認すれば案の定、目が点になっている三馬鹿。

「若葉ちゃん、何でその格好?」

「かわいい~!若葉ちゃん、かわいいよ~!」

「…………か、かわ、かわ…」

「それより、恭平達の格好こそどうしたのさ」

「ておーい!!言わせろよ!俺にも言わせろよ!」

若葉ちゃんの着物姿に目が釘付けになっている視線が気に入らなくて、恵介は話題を逸らした。琢磨のことは当然無視だ。

「あぁ、これはだなぁ。…簡単に言えば、借りてきたって感じ」

ここの社名が入った作業服を着ている理由を3人が順番に話す。

「田辺さん追ってたら、ここに着いちゃって…」

「諦めてかえ…」

恭平達が言うには、こうらしい。(ておい!俺の話も聞けよ!)
 

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