crocus
田辺を追ったのはいいものの、その田辺が乗る車はあらゆる場所に寄り道し、大島グループに到着したのは、恵介達が到着するよりも後だったらしい。
そこでばったり鮫島さんを追う要と遭遇し、メールで恵介が助けを求めていたことを聞いた三馬鹿は、怪しまれないように、とある部屋から作業服を拝借したらしい。
まぁ、ロッカー室なんだろうけど。
恵介達も三馬鹿にここにいる経緯を話すと、各々引っかかたワードを呟いた。
「見合い…」
「初恋の人…」
「着物…すげー似合ってんぜ、若葉!」
「じゃあ…これからどうする?要を追う?待つ?」
流された琢磨はガバッと恭平に泣きついたがそんなことはさておき、これからの行動を相談する。
「追うっつったって…、9時前だけど警備はまだいるだろうし…、……なぁ」
一同の目は、やはり若葉ちゃんの着物に注がれた。
「あ、あの…私は車で待ってます。田辺さんって方が私を探していたのは気になりますけど…でも私のせいで商店街の立ち退きの件に響いたりしたら…」
三馬鹿が若葉ちゃんを心配し、田辺を追ったことを気にしているようだ。さっきから表情が暗い。