crocus
「まぁ、若葉ちゃんの無事が分かったことは良かったんだけど…」
「要を1人にさせるのも…ね」
「余計なことするなって、怒られても…やっぱ俺達こんなときの仲間だしさ。恵介は?どう思う?」
琢磨に話を振られ、恵介は頭を掻いた。
「大島グループと鮫島さん、要パパの会社、若葉ちゃん…全部が何らかの形で絡んでるのに、それが偶然とは思えないんだよね。どうせ後から分かるなら、今ハッキリさせるべきじゃないかな?もちろん若葉ちゃんも一緒に」
誰も否定はしなかった。
そうと決まれば、表入り口の他にどこが別の浸入経路がないか探すことになった。5人で行動してれば誰かに見つかるリスクは大きいけれど、『もうその時はその時作戦』だと琢磨が命名した。
会社の周りを歩いていると、非常階段を見つけた。もしかしたら、どこかの階の鍵は開いてるかもしれない。そう思い階段を上がると、ちょうど2階の非常口の扉が開いていた。ここの防犯対策は一度再検討した方がいい。