crocus


その時、鮫島さんの高級感のある木製のデスクの上にある電話が鳴った。

「ちょっと、失礼」

「えぇ…」

鮫島さんが立ち上がり、電話を取った。その背中を見ているしか出来ない。

「…あ?不審者?…そうか」

鮫島さんは電話で会話しながら、要を何か言いたげな目で見た。

…不審者。その言葉に嫌な予感がした。三馬鹿に恵介達を倉庫から見つけて合流するように頼んだけれど、上手くいっただろうか。

「見つけ次第、警察に連れて行け」

「鮫島さん!特徴を聞いてください!もしかしたら僕の…仲間かもしれません!」

「…あらら。ごめんね?切れちゃった」

警察という極端な対処に、咄嗟に引き止めたものの、鮫島さんは受話器をゆらゆら揺らしながら悪びれなく笑ってみせた。
 
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