恋ってよんでもいいですか?
何も言うことはなくて


ただ、涙だけが流れていた。


隼人くんが私の身体をゆっくりと引き寄せ抱きしめる。


それで隼人くんの話しはもう終わりなんだ、とわかった。


隼人くんの温かい胸で私は泣いた。




不思議に




その胸の中で想うのは高校の時の、なかったことにしなきゃいけない恋じゃなかった。


春樹くんのことでもさくらさんのことでも


あの時の隼人くんが言った言葉でもなかった。


さくらさんに会った時に蘇った記憶も傷も、隼人くんの告白で受けた衝撃も


小さなことみたいに


私の心の中は


隼人くんとのこの3か月間の恋のことでいっぱいだった。




隼人くんとの恋の終わりを想って



私は泣いていた。


悲しい


寂しい


辛い


痛い


全部、隼人くんとの恋の終わり故の感情


その涙。


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