恋ってよんでもいいですか?
大きく息を吸い込んで


小さくゆっくりと息を吐いて


前に歩き進む。


ギュッと握ってくれた隼人くんの左手だけが頼り。



表札に“SHIMADA”とあるドアの前に辿り着くとすぐに


何の迷いも躊躇いもなくインターホンを押そうとする隼人くん


「ちょっと待って、心の準備!」と言おうとしたのに、すでに指はボタンを押した後だった。



隼人くんは「何?」とでも言いた気に微笑んだだけで。



でもしっかりとあたしの右手は離さずにいてくれた。
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