恋ってよんでもいいですか?
「わこ、違うよ?


邪魔なんかじゃなかった。


あん時、俺、確かに揺らいだ。


さくらと喧嘩してたけど、誰でもよかったわけじゃない。


わこだったから。


わこのこと、好きだと思った。


恋だったよ。


隼人には言えなかったけどな」


”恋だったよ”


この言葉だけで私の心の片隅にあった胸の痛みがすぅーっと溶けたような気がした。


たかがひと夏の出来事。


だけど私にとっては大きな大きな出来事だった。


なかったことにしなきゃいけなかった恋が私の元に戻ってきた気がした。




あの時の…なかったことにしなきゃいけなかった悲しい恋が春樹くんの一言で甘酸っぱい思い出に変えられた。

< 231 / 257 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop