恋ってよんでもいいですか?
「降りようか?」


「うん」


車から降りて


隼人くんが差し出した左手に右手を重ねる。


砂浜に打ち寄せる波に向かって


夕日に向かって歩いた。


「わこちゃん?」


「何?」


隼人くんの顔を覗き込むように私は身体を向けた。


「“わこ”っ呼んでいい?」


そう言った隼人くんは私の視線から逃れるように顔を右に向けた。


「え?」


「“わこ”って呼びたい」


相変わらずそっぽを向いたままの隼人くん


私はその後頭部を見上げて首を傾げた。

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