恋ってよんでもいいですか?
「明日も会えるかな?」


私が住むマンションまで送ってくれる車の中で隼人くんが問う。


「うん。会いたい」


素直に、思ったままのことを言った自分に照れてしまうけれど、言えた自分を少し好きになったような気がした。


「バイト、終わったら電話するから。


それと、これ。」


別れ際、そう言って手を差し出す隼人くん。


何気なく私も手を出すと、隼人くんの手から私の掌に何かが落とされた。


それは冷たい、金属の重み。


カギ?


ゆっくりと見上げると、隼人くんが、はみかむような笑顔で、私を見ていた。



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