10年目の告白
「あっ」
「頼む。帰れって言わないでくれる?」
「・・・大丈夫です。私も話がしたかったから」
「じゃあ手紙読んでくれたの?」
「読みました。でもあの時は全然信用してなくて、気持ちの悪い人だって思って破り捨てたんです。でもあの後ホントに離婚したし、あの時あなたが言ってた、えりちゃんって友達に出会ったりお母さんが犬飼ってミッキーって名付けたり・・・あなたは何者なんですか?ホントに未来から来たんですか?」
「未来から来たって言い方はふさわしくないかもしれない。精神だけ戻ってきたんだよね。そして俺は人生をやり直した。キミに会うために」
俺は手紙に書かなかった部分を彼女に話始めた。この後キミは渋谷で働くようになること。そしてその後吉原に行って俺と出会ったこと。
そして彼女と出会って1年間で話したことしたことを伝えた。ボーリングで罰ゲームをしたこと。部屋で線香花火をしたこと。旅行に行ったこと。ネイルの店を開くために頑張っていること。
彼女は驚きながらも時より笑ったりうなずいたりしながら俺の話を聞いてくれた。そして「めぐが森本さんと仲良くなった理由がなんとなくわかります」って笑った。
俺は彼女に言った。
「めぐちゃんは俺のことまだ知らないし突然何を言うのかって思うかも知れないけど、俺はずっとめぐちゃんのこと待ってたんだよ。俺と付き合って欲しい。この店も辞めて欲しい。東京にも行かないで欲しい。俺が幸せにするから」
彼女はしばらく考えて言った。
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