10年目の告白
夢?
朝目覚めるとどこにいるのかわからなかった。でも見たことのある部屋。
「え?どこか泊まったっけ?」
そんな記憶はない。しかしここはワンルームマンションっぽい。
「あっ」
独身時代に住んでた高槻の独身寮の部屋だ。なんでこんなとこに。
いや、ここは俺の部屋だ。懐かしいテレビ、家具。
夢?夢だよな。こんなとこに今さら来ることなんてないし、なんでこんな夢見てるんだろう。しかしリアルな夢だな。
「ピンポーン」「森本~会社行くぞ」
誰だ?ドアを開ける。こいつなんて名前だっけ?上野?上田?久しぶりに見たな。
「おまえまだ準備できてないの?遅刻するぞ。先行っとくからな」
なんだ、これは?
クローゼットを開けてみた。懐かしいスーツ。ポケットを探る。あった、定期入れだ。
「高槻-大阪 91.10.10」
夢じゃないのか?俺は急いでスーツに着替え会社へ走った。

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