アイ・ドール
「――――」
「もし葵と流花が、皆の想いに応えようとせず、ただ愛に溺れてヴィーラヴの活動に支障をきたすなら私が、いいえ、社長が何らかの対策を講じるでしょう――何らかの対策の選択肢が限られているのは、葵と流花にもわかるわね」
私の厳しい言葉に、視線を床に落としたまま、押し黙る二人――。
「ごめんなさい――」
葵が、擦れた声で謝る。
「葵もわかってる――仕事の時は、好きって感情を抑えようと――――わかってるんだけど抑えきれなくってイライラして。マイマイの言う通りだと思う。何か、雰囲気を壊してるなって――モコッチには明日、ちゃんと謝る。皆に嫉妬しないって葵も努力するから、流花ちゃんとの関係、認めて欲しいんだ――」
「お願いマイマイっ――葵ちゃんと話し合って、迷惑かけない様にする。そして、皆に二人の関係をきちんと話すよ――だからお願い、葵ちゃんとの関係を壊さないで――お願い――」
決意と覚悟が込められた眼差しの二人――。
「誤解しないでね。私も無理に二人の仲を引き裂くつもりもないし、関係性も否定しないわ――ちょっと、びっくりはしたけれど――」