アイ・ドール
流花が怪しく囁いた――そう囁きつつも、じりりと確実にベッドへと私達の体は動いている――。
「ち、ちょっと葵、流花――」
焦る私――。
部屋を出ようと試みるが、二人の力で押し戻される――。
「んふふっ、可愛いっ、マイマイ――」
葵が呟く。
「大丈夫――」
流花が、嘗める様に言う。
「大、丈、夫っ――」
葵が更に甘く嘗める。
「大、丈、夫――」
流花が、艶めかしく語る――。
二人の発する言葉の振動が、耳から体内に侵入し、私の心を震わす――。
左右の耳元で、交互に繰り返される快楽へと導こうとする秘語に、私の理性が少しずつ融解してゆく――そう認識した時にはもう、マットレスに横たわっていた――。
「葵も流花も、やめて――」
抵抗しようと体を動かすが、流花が両腕を押さえ、葵が私の躰に絡みつく。
「本当にぃカワイイっ、マイマイ」
動きを封じた私の腹上で、葵はいとおしそうに見つめながら、人差し指を軽く嘗め、抵抗した仕草をからかう様に言った。
服が1枚、また1枚と、二人によって剥ぎ取られてゆく――。