アイ・ドール
「きっぱり言うわね――」
「表向きは、地球の環境を守り、動植物を保護するなんて言ってるけど、彼らの本音は自分達が生きてゆけなくなるのは困るという思考で、実は環境保護なんて偽りの看板を掲げて、ごたいそうに吠えているだけだからね――」
「でも、私達が消えたら維持、管理していたものはどうなるの――」
「原子力の事だね――んまぁ、彼女達に管理させるのもできなくもないけど――――でもやっぱりボクが管理してゆく事になるだろうね。その為の色々な工作も礼子達がやってるし――終着点は無論、安全な工程を経ての廃炉だけど、それが叶わない場合はぶっちゃけ、そのままかも――」
「そのままって――乱暴ね――」
「そうかなぁ――確たる後処理の方法も構築できずに、利用し、突っ走ってきた人間の方がよっぽど乱暴だよ――」
「だから、私達は消滅すべきという理由なのね――――」
「そのひとつかもしれないね――――また暴論じみた事を言うけど、死んだ後の事なんて、どうでもいいでしょ。悩み、考えたって何もできないんだから――」
「わかっているわ――――わかっているけれど、悩むのが人間なのよ――」