アイ・ドール

「そう言うと思った」


「ひょっとして、説明したくてウズウズしてる――――」


「でも舞ちゃんがわからないって言うんなら、やめておくよ――礼子にはその辺はぼかしておくから――」


「よろしくね――――で、気になっていたのだけれど、男は創られる――いえ、産まれないのかしら――――」


「計画にはないよ――女しか創ら、いや、産まないって礼子も言ってたし。何でだろうね、男を創らない理由は――」


「それが――潜在的に人間が内包している美意識かもしれないわね――――」


「つまり、男は女より劣るって意味――」


「上手く言えないわ――――私自身の私念かもしれないし、私達に共有された認識とも感じるわ。それと、私が男に対して、負の感情を抱いている事情は、ミネルヴァも少しは礼子さんから聞いているでしょう――――」


「――――まぁ――ね。確かにどちらかを選べってなったら、女を選択するかな――そっちの方が、美しいからね。あくまで、見た目の話だけど――――けどさ、どうせ消滅するんだから、何もわざわざ人間に似せた彼女達を消滅後の世界に残す必要もないように思うけど――どう思う――――」

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