アイ・ドール

 しかし、いつの間にかメンバー達の悩み、ストレスが万希子さんの心にじんわりと蓄積――――その優しい性格が災いして、自身の、皆の全ての負を抱え込み、許容量を超えて体調を崩し入院――――。


 メンバーは、万希子さんの存在の大きさを改めて痛感し、自分達のわがままぶりに涙を流し、後悔する私の無垢なアイドール達――――。



 この結果、地味でおとなしく、必ずしも高い人気とは言えなかった万希子さんの地位は、優しく、誰にでも分け隔てなく渾身的に接し、包み込んでくれるお姉さんの様な存在として、広く認識されてゆくだろう――。


 素直に身勝手を認め、万希子さんの快復を願うヴィーラヴの好感度も合わせて上昇する――。



 その万希子さんは、第4世代型に産まれ替わるべく、研究施設に収容されている――。






 詩織が立ち上がる――。


「ま、万希子さん――――早く体を治して下さい――――そして、これからの私達の活動を心配して下さっているファンの皆様にも、この場をお借りしてお詫び申し上げます――――これからも万希子さんと私達、ヴィーラヴを応援下さいます様、よろしくお願い致します――」

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