夢ごこち

「お疲れさまでしたー。

お先に失礼します。」



「じゃぁね、ゆな!

みな、これからじゅんと

デートだから。

ゆなも頑張りなよ!」

「う…うん。じゃぁね。」



コンビニを出ると、

りょうくんが待っていた。



「ごめん。待った?」

「全然。よし!

飯食いに行こうぜ。」

「うん。」

「今日は車乗ってきたから。

乗って。」



車に乗り、お店に向かった。



りょうくんと過ごす時間は、

早く過ぎていってしまう。

あたしを笑わせてくれる。

さりげなく気を使ってくれる。

そんなりょうくんは、

優しさで溢れている。



でも、あたしはりょうくんの

ように接することができない。

どうして、そんなに人に

優しくできるのか。

どうして、人の心が

わかるのか。



今まで、そんなこと

考えずに生きてきた。

他の人なんてどうでもいい。

自分さえ良ければいいんだ。



でも、りょうくんの優しさが

あたしの心に痛いほど

伝わってきて、人の温かさ

に触れたようだった。



あたし、りょうくんに

惹かれてる…


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